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お坊さんが聞きたい木魚の話
3月16日のぶっちゃけ寺。
お坊さんが気になる木魚の話。
木魚職人・市川幸造さんにお話を伺いました。
この頃は木魚も海外製品が多くなっている。
国内の職人は愛知県に数人だけ。
寺院用は市川さんのとこだけが製作。
木魚は玉斎(ぎょくさい)と呼ばれます。
市川さんの木魚は超高級ブランド。
とても小さなお寺さんでは手がでないほど高級。
木魚界のロールスロイス。
木魚=玉斎
市川幸造さんが木魚をスタジオに持参。
直径48センチ。
大きくてとても木魚に見えません。
しっかりした手彫り。
一番大きいものは直径90センチ。
市川さんが造る木魚のデザインは一つのみ。
上から見ると2匹の龍が玉を加えているような形。
本体の丸い部分は魚のうろこ。
龍頭魚身(りゅうとうぎょしん)。
これが木魚の一般的なデザイン。
臨済宗妙心寺派 泰丘良玄さんの寺には玉斎がある。
昭和50年から。
大きな法要のときに使用。
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(有)市川木魚製造所
工房には市川さんのほかに2人で製作。
長い間よい音のままで使用していただけるのが特徴。
材料はクスノキ。
樹齢100年以上。
直径が130から140センチ。
和歌山県の神社にあったもの。
道路を拡張するので木を譲っていただいた。
木魚の製造方法
直径150センチ4mの木かいくつの木魚が取れるのか。
木取りとは原木から大まかな木魚の形を切り出すこと。
直径60センチの木魚ならこの木から10個造れます。
中彫り あらかた木魚の形にした木の塊。
これに木魚の大きな割れ目を入れます。
大きなのこぎりを使用。
口の部分を切り取ったあとは中を空洞に。
首の長いノミが活躍。
地道な作業。
彫りすぎると割れてしまいます。
乾燥
木に水分が残ると
使用しているうちに音が変わる木魚。
屋根裏で木魚を乾燥させてます。
今保存しているものの中で古いものは昭和54年のもの。
彫刻
注文してから彫りに入ります。
音付け
これ以上削る場所がなくなったら音を調整。
音を鳴らして、木魚の口の中を削る。
それの繰り返しをしながら完成させます。
木魚の聞き分け
調律前の木魚を叩きます。
音は鳴りますが、音の響きが少ないです。
音付けさせた木魚。
音に深みと広がりが出ています。
素人の耳でも区別のできる違いです。
なぜ「木魚」なんですか?
お寺にある大きな魚の形をした
魚鼓(ぎょこ)=魚板(ぎょばん)。
それが変化して木魚になったという説がある。
黄檗宗大本山萬福寺では開ぱんと呼びます。
直径198センチ。
時刻を知らせるために鳴らされます。
黄檗宗では
魚は目を閉じないので
不眠不休の象徴とされる。
頑張って精進しなさいってことなのです。
中国には
龍門を登り切った魚は
龍になるという伝説がある。
修行を積めば
悟りに近づくことができる。
龍や魚が加えている玉は
煩悩を意味する。
口から吐き出そうとしている。
煩悩の生まれる腹を叩いて
煩悩を吐き出させるのが目的。
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