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2月28日の深夜に再放送された浦沢直樹の漫勉。
山下和美の仕事場へ密着。
漫画家、山下和美 「天才 柳沢教授の生活」が大人気。
極端に規則正しい生活を送る教授が主人公。
浦沢直樹が山下和美の自宅を訪問。
山下和美の自宅兼仕事場は超和風。
全面数寄屋造りのお宅。
「数寄です!」はドキュメント漫画。
自宅を建てる様子を描いている。
掛け軸を手作り
日本建築なのに掛け軸がない。
ないなら作ろう。
イラストも表装まで自作。
出来上がったのは色っぽい美人画。
長い髪の毛かと思ったら、猫。
黒猫を抱いた女性ですね。
茶室はネーム部屋
数寄屋造りなので茶室も作ったんです。
囲まれた空間は瞑想にピッタリ。
ここはネームを考える部屋になっています。
下書きが産みの苦しみ
山下和美の下書き作業。
右手には手袋。
描いているときに手の横が痛くなるため。
山下和美は爪がきれいですね。
派手なネイルはないけど、手入れされてる。
3コマの割り振り。
上に2コマ、下に大き目の1コマ。
描いているのは「ランド」。
山の奥のしきたりに縛られた集落。
しきたりのタブーを破ろうとする主人公。
謎の少年が何かを羽織ろうとしているシーン。
イノシシの皮を羽織ろうする謎の子供。
イメージを探る山下和美。
細い線が止まった。
構図に悩む。
作業風景を見ながら
山下和美の作業風景を見つめる浦沢直樹。
同業者、気持ちがわかる。
「動きのあるデッサンってたいへんですよね」
資料写真を使って描くこともあるらしい。
そうすると、絵が縮こまる。
直観で描くタイプの山下和美。
イメージがあるうちに書き留める。
早くしないと消えてしまう。
これで焦る。
イメージが消えてしまうのか。
何度も消して形を作っていく。
編集者とのやりとりが作品を成長させる
山下和美の編集者は若い。
甥っ子よりも若いと山下和美が笑う。
柔軟にやり直しする山下和美に驚く編集者。
ネームから下絵、下絵から原稿。
ここまで変わっていく人は珍しい。
「ボロカスに言われてもいいんで、
とりあえず思ったことを全部描くんですよ」
編集者は最初の読者。
読者の声に敏感な山下和美。
いいものを作るために妥協はしない。
「どっかにダイヤがあるかもしれない」
とにかく描いてみることが重要。
長い下書き作業
イノシシの革を被った謎の子供。
消したの何回目かな。
考え込む。
重たい皮をスーツのように羽織る。
猫を膝の上に乗せながら作業。
44分かけて下書きを完成。
ペン入れ作業
目の中から描く山下和美。
丸ペン使用して、柔らかい線。
「そんなに力まないで大丈夫か」
浦沢直樹が心配するほど弱い線。
少女漫画の影響か。
この柔らかさが山下和美の個性。
髪の毛はGペンで描く。
大友克洋の吹き出し
吹き出しは難しい。
しかし、大友克洋の吹き出しはそっけない。
そのそっけなさに衝撃を受けた浦沢直樹。
丸い吹き出しの不愛想な感じが衝撃的だった。
山下和美も同じ。
大友克洋の「童夢」で描かれたおじいさん。
見開き2枚を使用。
そのときの驚きは計り知れない。
今の人にそのインパクトは伝わらない。
現在の漫画がそうだから。
大友克洋の影響を。
山下和美は固形墨を使用
掛け軸の表装後、固形墨を使用する山下和美。
硯ですった墨は上から薄墨を塗ってもぼやけない 。
にかわの力なのだろう。
薄墨は固形墨を使うこといした。
墨のするのはすがすがしい。
これも数寄屋造りの家のおかげ。
柳沢教授は父親がモデル
1959年8月15日小樽で生まれた山下和美。
末っ子。
子供の頃、2人の姉が漫画家デビュー。
その影響で漫画を描くようになる。
中学の時のイラストを見せてくれた。
リッチー・ブラックモア。
DEEP PURPLEのリードギター。
20歳、大学生でプロデビュー。
しかし、ヒットはなかった。
恋愛ものが苦手。
デビューから9年後、青年漫画へ。
父親をモデルに柳沢教授を描いた。
初めからやり直す
ペン入れ作業でも行き詰る。
思い通りにペン先が動かない。
もう一度紙を変えて書き直すことに。
今度は和紙。
これも数寄屋造りの家の影響。
最初の絵に重ねて和紙に描いてみる。
薄墨のいのししを濃い細い墨で縁取る。
「ちょっとした感じのところで定石を打ち破る」
浦沢直樹が評価する。
描いたのは3コマのうち、下の1コマ。
30年来のアシスタントに感想を聞く。
「一枚絵でもよかったのでは?」
ナイスアシスタンス。
「えーもうペン入れしちゃったよ」
そういいながらコマ割りを変更。
上の2コマは前のページに入れることに。
ペン入れ作業に4時間50分。
こんなんじゃ進まない。
山下和美の作業効率は悪い。
「ぎりぎりに立たないと新しいものができない」
迫力のある絵ができた。
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