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2017年6月13日のガイアの夜明け。
15周年シリーズ企画。
ニッポン転換のとき第三弾。
10年間で4割近く値段が上昇した国産バター。
良質でリーズナブルなバターを食べたい。
阻害している原因は何なのか?
輸入バターを独占するエーリック
農畜産業振興機構、通称エーリック。
農林水産省所管の独立行政法人。
農畜産の需給調整、価格を安定も仕事の一部。
海外バターの独占的取り扱いを認められている。
エーリックは入札で海外バターを最も安い価格で仕入れる。
エーリックは入札で最も高い価格で販売業者に売る。
安いバターを引き上げることで国産品の値崩れを防ぐのが目的。
質の悪い海外バターを高値で買わないといけなくなる。
バターは余っているのか?
エーリックの入札に参加した業者からの情報。
国内にはバターが売れ残っている。
要らないのに輸入していると証言。
しかもエーリックはその実情を知っていると言う。
これは事実なのか?
どうして無駄な輸入が行われているのか?
農水省の天下り先⁈
2015年にエーリック理事長に就任した宮坂亘。
農林水産省出身である。
エーリック役員10人のうち農水省のOBや出向者は5人。
典型的な天下り先と見られても仕方がない。
2016年度1万7千トンのバターを輸入。
そのバターはどこかで余っているのか?
番組はエーリックにカメラ取材を申し込む。
しかし断られる。
回答に正確を期すため。
確かにテレビでは一部を切り取られる可能性がある。
紙面ならいいと言う。
バターの価格や量の不安はない⁈
農林水産大臣・山本有二にバターの現状を聞いた。
「価格・量の今後の不安は解消されている」
と認識していた。
今の価格は高くないのか?
家庭用のバターは値上がりを続けている。
ケーキ屋は良質な国産バターを安価に買うことができていない。
現状の何を農林水産大臣・山本有二は見ているのか?
指定団体=農協
酪農家が生産した生乳が消費者に届く仕組み。
生乳のほとんどは指定団体が買います。
指定団体が各メーカーに卸す。
生乳が加工され、牛乳やチーズになって届く。
指定団体の運営の全ては農協系。
生乳の全てを指定団体に出荷した酪農家が補助金を受けている。
MMJの取り組み
今までの生乳販売の仕組みを変えようとしている会社。
MMJ。
ミルク・マーケット・ジャパン。
指定団体よりも高く買取り、安く乳業メーカーに卸す。
社長は茂木修一。
本社は群馬伊勢佐木市、従業員は4人。
少ない人数で経費を抑えている。
国内バター生産を増やすことを目標とする茂木社長。
しかしバター工場からは断られる。
MMJと取引すれば指定団体が嫌がる。
指定団体との取引をゼロにすることはできない。
バター作りの現実
群馬県前橋市のタカハシ乳業。
関東の指定団体から生乳を仕入れている。
農薬や化学飼料を使用しないことに拘っている。
バター120gが488円。
高級スーパーで販売しているが、バターは赤字。
生乳の値段は、用途別乳価で決まる。
牛乳なら117円、バターなら75円。
同じ生乳でも製品によって価格が変わる。
安定供給する為に国が作ったシステム。
タカハシ乳業は飲料用価格で買った生乳でバターを作る。
指定団体がバター用の安い価格で売ってくれない。
他の乳業メーカーからも同じような話が出た。
指定団体は現在の仕組みを無視している。
高く売るのは売る側の権利⁈
関東生乳販売農場共同組合連合会。
取り扱い高は約1300億円に迫る。
トップの会長菊池一郎へ取材。
用途別乳価で売らない事実はあるのか?
「ゼロとは言い切れない」
そして、
「飲用の方が(高く)売れるのに
有利な方を選ぶのは売る側としては当然」
利益優先と認めた。
若き酪農家の取り組み
釧路市阿寒町。
福田貴仁さん32歳は酪農歴6年。
大きな挑戦をしようとしている。
指定団体からMMJに変更。
2016年7月出荷先変更を地元の農協に相談。
組合長は歓迎はできないが止められないと。
福田さんは粘り強く交渉。
家族の生活を安定させる為一歩踏み込んだ。
2017年2月、番組スタッフが福田さんを訪問。
巨大な牛舎を見せてもらった。
総工費は牛の費用も含めて5億5千万円。
自動でエサをやる設備も完備。
銀行に全額出資してもらった。
ホクレンがプール乳価を値上げ
2016年12月、指定団体ホクレンが組合に当てた文章。
プール乳価を2円60銭の引上げる。
今までは平均で88円。
それが90.6円になる。
MMJは92.5円なので、その差を縮めた。
組合からの離脱を防ぐ策の一つである。
ガイアのカメラが閉めだされる
2017年6月2日、阿寒町農協の総会。
出席する福田さんの顔は険しかった。
2日後MMJの出荷を開始する。
会場に入ろうとした番組カメラ。
農協側から締め出された。
ほかの報道機関は入っているのに。
番組をかなり意識しての対応。
賦課金の創設
総会で農協幹部から思いがけない提案があった。
生乳の出荷量に応じて賦課金を徴収する。
キロ50銭の賦課金。
農協に出荷しない福田さんも対象だという。
納得できない。
他の酪農家からも不満の声が上がった。
嫌がらせと取られても仕方がない。
組合離れにならないのか?
「農家の半数近くが反対したが可決された」
地元新聞はそのように報道した。
福田さんの場合賦課金は約10万円。
年間120万円。
影響は大きい。
組合長は組合員の味方だと言う。
しかし明確な説明はなかった。
6月4日福田さんはMMJへ初出荷。
「改革を止めてはいけない」と気持ちは固い。
別海町酪農家の試み
「別海のおいしい牛乳」
美味しくて安いと評判である。
生産しているのは島崎美昭さんと中山貞幸さん。
エサは10種類以上の原料で独自の配合。
アメリカの飼料会社から直接仕入れている。
ジャージーとホルスタインの交雑種を利用している。
交雑種の生乳を1割混ぜることで味が更に良くなる。
美味しい牛乳を作る為に努力を重ねていた。
それでも指定団体に出荷すれば他の牛乳と一緒になる。
均一の味になることに抵抗。
2年前MMJに出荷先を変更した。
牛乳を輸出する
オーストラリア領事館領事ロナルド・グリーン。
日本の酪農を支援したいとMMJに話を持ちかけた。
乳業コンサルタントも豪国から招いた。
協力して新しい事業を作る。
別海のおいしい牛乳を海外展開させる。
アジアの牛乳よりもずっと美味しい。
きっと受け入れられるはず。
台湾で1か月の試験輸出
アメリカや豪州からの牛乳を売る台湾。
別海のおいしい牛乳を試験的に売ることに。
値段は台湾産の2倍。
しかし、消費者の感想は上々。
濃いのにさっぱりした味。
そして日本の商品に対する安心感が後押しした。
1か月の試験輸出後、本格的な販売が決定。
台湾全土450店舗のスーパーで売られる。
MMJはバターを諦めていない
豪州の技術を使って日本にバター工場を作りたい。
MMJ茂木社長は国産バターを諦めていない。
リーズナブルな価格でバターを届けたい。
規制は農家を守っているのか?
消費者が安く美味しいバターを食べる。
その為にはどうすべきか。
まだまだ終われない。
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