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2020年4月16日のカンブリア宮殿。
全国に18店舗あるビジネスレザーファクトリー。
本革なのにリーズナブルな価格で人気。
手掛けている会社は、”ボーダレス・ジャパン”。
生産工場はバングラデシュにある。
人口の10%が1日約200円以下で生活している貧困国。
工場で働く従業員はシングルマザーなどの貧困層。
以前よりも収入が3倍になったと喜んでいる。
”ボーダレス・ジャパン”はビジネスで社会問題を解決しようとしている。
葉巻タバコ産業からハーブへ
ミャンマーにある葉巻タバコの畑。
葉巻タバコは1本5円。
年収は数万円。
生活はとても厳しい。
お金の為にケシを栽培する人も多い。
ケシの実で作られるのがアヘン。
10年前に”ボーダレス・ジャパン”創業者、田口一成さんがビジネスを始めた。
ハーブの栽培。
無農薬でレモングラスやペパーミントなどが作られている。
以前はタバコを生産していた農家。
今は適正価格で買い上げられ、収入は3倍。
作られたハーブはハーブティとして商品化。
授乳中のママに売れている。
貧しい人を見つけてビジネスを始めるのではない。
お互いさまのビジネスが長く続けるのだと田口一成社長は話す。
世界を動かす男
ボーダレス・ジャパンの福岡オフィス。
田口一成は自転車で出社。
ボロボロサビだらけの自転車だ。
オフィスの電話線は夜は抜いて帰ると言う。
朝のラジオ体操の時間は電気を消す。
どれだけの成果が出るかは不明だがやれるだけのことはやる。
年商54億円。
田口一成は世界を動かす日本人50に選ばれた。
2019年の日経ビジネスの特集だ。
記事のサブタイトルは「社会起業家のエンジェル」だった。
ボーダレス・ジャパンのルール
ボーダレス・ジャパンには他社とは違うルールがある。
・出資額を超える株主配当は一切しない
・経営者の報酬は一番給与の低い社員の7倍以内
・利益は社員の福利厚生と新事業の投資のみにしか使えない
どうして株主配当はしないのか?
田口一成はの考えでは、
最初にお金がある人が富み続ける。それが格差を広げる。
格差がない社会を目指している。
NGOより寄付?
田口一成は大学時代ドキュメンタリー番組を観た。
飢餓のため子供のお腹が膨れている。
この映像が世界の飢餓問題に興味を持ったきっかけである。
その後、途上国で活動しているNGOを訪問。
すると、
NGO側から本当に貧困問題を解決したいのならNGOには来ない方がいいと言われる。
NGOは資金面で厳しい。
寄付をする側になるように言われた。
2006年ボーダレス・ジャパンを創業。
不動産の仲介サイトだった。
売り上げの1%を寄付することに決めた。
しかし、1年後に寄付できたのは7万円。
これでは貧困問題は解決できない。
寄付よりもビジネスしながら社会貢献
新聞で外国人がアパートを借りられない問題があることを知った田口一成。
外国人用のシェアハウスを作った。
困っている外国人を助けた。
お金を稼ぐだけでなく社会問題を解決できると確信した。
一人で事業立ち上げでも大した結果はできない。
ボーダレス・ジャパンはたくさんの事業を立ち上げる会社である。
複数の事業会社から出た利益をボーダレス・ジャパンがストック。
そのお金で新会社を作る。
設立の条件は全事業社長の賛成が必要。
2019年には13社を設立した。
挑戦続ける苦悩
しかし、全ての会社が上手くいっているわけではない。
宮崎県の”みらい畑”。
3年前に設立しか事業。
責任者は石川美里。
耕作放置地を使ってオーガニック野菜を作っている。
去年はほうれんそうを出荷。
しかし、今年は虫害で葉が黄色くなっている。
今年は9割出荷できなかった。
出資金は追加分も含めて2300万円。
しかし、会社の残高は217,739円。
瀕死状態である。
石川美里はオーガニックを諦めようとも考えていた。
しかし、田口一成はもう一度挑戦してもいいと言う。
改善案が認められれば追加出資も可能だ。
責任者の石川美里は農業初心者。
社会問題を解決することは難しく、かつ儲かりにくい。
でも可能性はゼロではない。
ボーダレス・ジャパンの事業は社会問題の解決策になるかがキー。
出資金は先輩たちが出した余剰利益。
プレッシャーも大きい。
年間100社を目指す
ボーダレス・ジャパンの社員、犬井智明。
現在、ミャンマーに住んでいる。
1年前現地の女性と結婚。
子供もできた。
結婚相手の実家で生活している。
4年前、ミャンマーの少数民族を助ける事業を企画。
現地の竹を利用して商品を作るという内容だった。
しかし、これは却下された。
「自己満足」「頭を使え」と言われた。
では、今はどうしているのか?
肥料などを売る農家のコンビニを経営。
農業大学出身の現地スタッフを採用。
肥料の使い方のアドバイスもしている。
収穫量が増えたと感謝され、結婚式の招待状をもらうことも多い。
犬井智明は企画を却下されたこもあったが、
事業を立ち上げる経験を積み、コストとリスクを管理する力を蓄えた。
ボーダレス・ジャパンは年間100社を目標にしている。
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