みんテレ岐阜の老舗三千櫻酒造が東川町に公設民営の酒蔵建造


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2020年5月13日(水)放送のみんテレ(UHB)。

美濃の地酒三千櫻で名を馳せた三千櫻酒造。

5代目杜氏の山田耕司さんは酒造り30年のベテラン。

基本に忠実に作る山田耕司さんのお酒はとても綺麗な味と評判。

全国にファンがいる。

酒蔵の朝

酒蔵の一日は早朝の5時から始まる。

年季の入った大きな釜に薪をくべて酒米を蒸す。

蒸しあがった酒米に麹を均等にふりかける。

日本酒造りの一番大切な作業。

操業148年、毎年こうして造りあげてきた。

岐阜の名酒蔵が何故遠く北海道まで移転しようとするのか?

築130年以上の酒蔵は老朽化が進む一方。

随所に壁が崩れているところも散見する。

修繕となると7000万以上の費用がかかる。

東川町が新たな酒蔵の担い手を募集

東川町はコメと水の品質が素晴らしい。

これからの100年、東川町で酒蔵を続けていくにはどうしたらいいか?

酒蔵のプロジェクト予算は3億5000万円。

いわゆる公設民営の酒蔵である。

建設費の半分以上を国と町で負担。残りは起債でまかなう。

三千櫻酒造にとっても建替えに必要な7000万を下回る金額ですむメリットが。

更に東川町は北海道内で唯一上水道を整備する必要がないほど良質な水に恵まれている。

大雪山の湧水が豊富なのだ。

その水で育てられた米。

去年の新米の出来を競うコンテストで最高金賞に選ばれたほど。

山田耕司さんは移転を決意。

松岡市郎町長からは熱い思いの提案書を評価し全会一致で決定した事を直接伝えられた。

家族は絶句

三千櫻酒造

住み慣れた美濃を離れる事。

山田耕司さんから移転の話をきいた時、家族は絶句。

この美濃には思い出が一杯。

理屈では解っても心は複雑。

でも、落ち着いて考えると、あんな元気な東川町と一緒に仕事をやれるのは奇跡みたいな話だと気が付いた。

地元に衝撃が走った!

中山道大鋸

中山道大鋸は岐阜の中津川では歴史のある酒店。

店主の大鋸伸行さんは残念がる。

地元としては中津川に五蔵ある事を誇りに思っている。

その五蔵の中でも三千櫻酒造は常に新しい事にチャレンジする酒蔵だった。

お客さんにも三千櫻は手作りのいいお酒だよと店はいつも推していた。

その三千櫻酒造が中津川を離れる。

とても残念。

手打蕎麦わくり

ショックですね。

私も職人なんで、どうしても人柄を見ちゃうんですね。

最初は坊主頭で怖いなと思ったけど。

そういう山田耕司さんの人柄が味にも繋がっていると。

僕は、移転しても元中津川のお酒として三千櫻を売り続けるんで。

うちの店が存在するかぎり。

山田耕司さんの地域への感謝

地域の方と中津川の環境・そして三千櫻を育んだ今の蔵。

どちらにも感謝の念しかない。

だけれども変換の点というのが酒蔵にはある。

まあ、だからそれなのかなと(その時期が来た。)。

東川の環境で造れば三千櫻はどんな酒になる?

山田耕司さんは言う。

「今よりはあがるでしょ。そこは自信があります。」

100%東川町の酒を目指し酒米の田植えが今月(2020年5月)初めに始まった。

10月には蔵が完成。

12月には新酒ができる。

移転のきっかけは蔵の老朽化だけではない。

コメの質の劣化も大きな問題。

温暖化の影響で西日本のコメの質が落ちている。

それに比べ、北海道のコメの質が上がってきている。

だから綺麗な水と良質なコメの東川町でやってみたいという想いが強くなった。

中津川という地元を去るのは大きな決断だった。

しかし、この北海道の東川町で造るお酒は絶対に美味しくなるはず。

12月には、その答えが出る。

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