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パパは認知症
2月11日テレビ未来遺産。
若年性アルツハイマー病と共存する家族。
家族の力が認知症の進行を遅らせた。
その理由を今夜解明する。
働き盛りの父親がアルツハイマー病に
林佳秀さんの様子に変化があった。
気づいたのは妻の京子さん。
佳秀さんが48歳の時。
車で会社に行ったのに、電車で帰宅。
車で出かけたことを覚えていない。
その後、佳秀さんは打ち合わせを忘れる。
お得意様の名前も出てこない。
それを妻に隠す。
若年性アルツハイマー病。
そう診断されたのは50歳の時。
「やっぱりって感じ・・・」
覚悟はしていた。
長男はまだ3歳。
生活環境を変えようと決意。
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発症から10年後
佳秀さんに病気について聞いてみた。
普段の生活では病気を意識していない。
健常者と変わらないと思っている。
忘れ物は以前から多かった。
特別な状態とは思っていない。
進行しているとは考えていない。
それでも病気は進行している
お米をまとめ買いする林家。
一袋30キロの米。
車に積み込んで自宅へ。
車で5分後に帰宅。
「荷物あるよ」と妻から。
佳秀さんが不安な顔になる。
車を見る。
「あれコメがない。あれどうしたんだ」
つい5分前のことを思い出せない。
しかも乗っていない車の中も探す。
妻が窓から「後ろだよ」と教えてもらう。
「この車に入っているの？」
最初に探した車のバックドアを開けた。
「あ、こっちのコメの話か」
佳秀さんには何をすればいいのか、
何を忘れていたのかもわからなかった。
こんなときでも、妻は問い詰めない。
本人がつらいと思う。
夫のプライドを尊重している。
月に一度の診察
順天堂大学病院に通う佳秀さん。
月に一度の診察で行う記憶力のテスト。
「今年は何年？」・・・出てこない。
「何月？」・・・ 出てこなくなっちゃう。
普段は元気でも病気は進行している。
アルツハイマー病の症状は三つ。
物忘れ、意欲の低下、判断力の低下。
進行が早い若年性アルツハイマー病。
佳秀さんはゆっくり進行している方。
生活環境を変える
仕事で忙しかった佳秀さん。
ストレスが多かった。
ストレスのない生活にしたい。
自然の多い生活へと変えた。
東京から移り住んだのは千葉県睦沢町。
佳秀さんは今障害者雇用で働いている。
現在58歳。
長男の下には娘が二人いる。
末娘が箸を欲しいと佳秀さんに言う。
しかし、娘に渡したのはフォーク。
佳秀さんには、娘の箸がどれなのか不明。
以前は記憶障害を隠していた佳秀さん。
今は症状を隠そうとしない。
ありのままの自分を父として頼ってくれる。
それが嬉しい。
父親、家庭人としてやりがいを感じる。
人のために自分が存在することを感じる。
これが脳を活性させる。
父親と息子
長男の名前は「大介」。
手を差し出して人を助けることができる人。
そんな人になってほしい。
両親の願いが込められた名前。
大介くんはその通りに育った。
佳秀さんと一緒に釣り堀に行く大介くん。
以前は母親も一緒だった。
最近は二人で出かける。
支払いは大介くん。
父親の佳秀さんは計算が苦手だから。
大介くんは、二人でいることが大好き。
アルツハイマー病について聞いたみた。
「記憶が頭に留まらないやつでしょ？」
今は大丈夫だと言う。
そして、頑張って食い止めると話す。
家族が病気の進行を遅らせる
12月13日は佳秀さんの妻の誕生日。
毎年、佳秀さんからはプレゼントがあった。
今年は貰えないかも。
貰えない時は忘れた時。
病気が進行した印。
それを思うと悲しい。
誕生日だけではない。
今までの想いでも全部忘れてしまいそう。
家族全員でサプライズ
京子さんの誕生日当日。
大介君は父親と一緒にプレゼントを買ってあった。
父親が忘れているのでは心配して声を掛けた。
買ったのは京子さんの好きな日本酒。
夕飯時。 台所に立つ母親に声を掛けたのは大介くん。
「プレゼントがあるの」
嬉しそうな顔をする京子さん。
あんまり喜ばないでよと念を押す。
家族みんなで買ったプレゼント。
「ウイスキーボンボンも買ったよ」と話す娘たち。
てっきり忘れられていると思った京子さん。
嬉しくて涙が出る。
家族のつながりが進行を遅らせている。
子供たちもいい子に育っている。
生活環境を変えたのも良かった。
必要とされている。
これが重要なのかも。
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