西加奈子プレミアムトーク棚橋選手へのプロレス愛を語る!


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直木賞受賞インタビュー

勝手にプロレスと自分たち(小説家)の
状況を寺師合わせているところがあって
プロレスからはめちゃくちゃ勇気を頂いています。

プロレスと文学の共通点

文学界も本が売れない時代になってきて
太宰治で文学は終わったという人もいるだろうし
町田康さんで終わったっていう人もいるやろし

直近の私達のような作家は
同じようなことしか書いてないから
読む気がしないっていわれたこともあるし

でも、違うねんて。

プロレスと同じように
文学界にもいろいろな選手がいて

ベビーフェイスな選手もいるし
オーソドックスな選手もいるし
トリッキーな選手もいるし
ちゃらくしている人もいると思います。

作品でね。

そんな選手がいるなかで
あたしたちも小説信じてやってきて
良かったですって言いたいと思って。

それで凄い棚橋選手から勇気をもらって
勝手に重ね合わせてみているんですけど。

いつかわたしたちも言おうって思って。

小説信じてやってきてよかったって。

プロレスラー 棚橋弘至は語る

西加奈子さんの直木賞受賞の言葉を
朝のニュースでたまたま目にした
棚橋選手。

すごいうれしかったです。

プロレス界にとって
追い風吹かしてもらったなっていう
感謝の気持でした。

西さんも、なんかその、小説界というか
文学界を背負っている使命感がスゲー!なって
思ったんですよ。

賞とって嬉しいとか感謝の気持とかは
さっと済ましておいて
これから文学界をどうしたいんだとか
未来を見据えて喋っているというか

自分だけ受賞して
上がっていければいいというような
思いよりも

文学界全体で上がっていきたい!

僕もプロレス界全体、プロレスっていう
ジャンル全体で上がっていきたいという
想いがあるので、そこに共感しましたね!

西さん、あいしてまーす!

 

棚橋選手のコメントをうけて

めちゃくちゃうれしいです。
ほんと、おこがましいですけれど
棚橋さんと同じような心境になりたいと思って

今、棚橋さんの体を鍛える本を呼んで
体を鍛えています。

強い精神は多分強い肉体から、
肉体に宿るって思って
今日の朝もやってきました。

仕事は決めずにできる時にやってます。

外でもできるようにしているし。

プロレスって例えばリングじゃないですか。

四方から見られてますよね。

あれってほとんど人生を
さらけだしているようなところがあるって
わたしは気がしていて

後は、攻撃する側だけが
素敵なジャンルなんじゃないんですね。

受けなんですよ。

どれだけ受けれるか。

そして自分だけが輝く試合をしない。

相手も輝けるような試合をする。

それはみなさんそうなんですけど。

色々な多様性がある。

選手に。

誰かには絶対自分を投影できるし

やられてもやられても
立ち上がる姿に
感銘を受けるし

あと、選手が負けた側のほうが
声援が多かったりするし

そこがまた素敵やなって。

私は凄く大好きなんですけど。

自分だけを輝かせないとこが。

小説の世界もすなんですね。

いっぱい作家がいるのにもったいない。

私のことがつまらないと思ったひとにも

いや、先輩いるで。

海外までいれたらジョン・アーヴィング先輩まで入れたら。

小説って

エンターテイメントでもあるけど
もっと個人的に寄り添ってくれるジャンルでもある。

小説のいいところは強制しないとこ。

その小説が、どんなに凄い小説であっても

その考え方を誰にも強制しないんですよね。

ただ作家が全力で書いた一冊の本に過ぎない。

作者は全力で自分の態度を表明しているけど
その態度に寄り添う必要はない。

あなたが考えてくださいっていう委ね方をしてくれるから
私は小説ってものを凄く信頼できるんですよ。

みんなはなんで本を読まなくなったのか?

 何かのせいにはしたくはないですけど。

今、テンポが速くなっている。

でも小説には、エクスキューズが少ない。

結論にたどりつくまでの
まどろっこしさもあるし。

そういうとっつきにくさが
時代のテンポに合わなくなっているとはいえる。

あと、今、すごく共感文化じゃないですか?

共感できないとか。

でも共感できない人を好きになるってことこそ
美しくないですか?

共感だけが素晴らしい感情ではない。

小説って共感できないから
読みませんでしたって人いるけど

その先やんって思うんですよ。

共感も素晴らしいけど

その人のこと
全然理解できないけど
大好きって思える心って
すごく尊いって思うんですよね。

それを小説でみんなやってるんだと
思うんですけど

それなのか?

それがハードルとして
今、小説が読まれない理由の
一つなのかなって思います。

 

一冊読み終えた時の達成感。

おおきな何かに決められたれテンポに縛られたら苦しい。

自分のテンポでページをめくる
自分のスピードでめくる

自分の頭で考えるっていうのが
絶対必要やし、求められていると思うんですよね。

それに小説は絶対応える自信があるし
だから読んでいただきたいと思います。

西加奈子 作家になったきっかけ

情報誌のライターになった時に
自分の書きたいものが解った。

文章を情報としてではなく
人間が何をしたか
何を考えているのかを
書いたほうが面白いことに
気付いた。

書きはじめは太宰治に憧れた。

作家になって初めて太宰治の凄さを理解した。

作家になるのは衝動がなければダメ。

サラバは長くしようと思って書いた。

中身は設計図がないまま書き始めた。

結構手さぐり。

ざっくりハッピーエンド、
救いのある話にしたいなっていうのと
言葉が違う男の子どうしの
友情を描きたいなっていうのは
決まっていたけど、その他はざっくり。

その他は書きだした文章が
その次の文章を生んでいくという感じで
結構手さぐりで

だから凄く大変でしたけど
その分すごく楽しかった。

思いがけないところに行けた。

うあ!こんなこと書けた!

一割の楽しさが9割の苦しさに勝つ。

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題名のサラバについて

最初は男の子二人にしか解らない
呪文のような言葉が欲しいと思った。

そこでアラビア語からインスパイアされて

アラビア語のマッサラーマ転じて
マッサラーバ、サラバと変換していった。

書き上げた後で思ったんですけど

私達は一秒一秒今にサラバをしている。

この一秒は2度と戻ってこないなって
すごく尊い一秒にサラバしていってるなって

このタイトルにしてよかったなって
後から思いました。

西加奈子が作家になってから思ったこと。

作家はこの世界の苦しいところから
目をそらしてはいけない。

そういう人間を掘り起こしていくのが
小説というものなのではないか。

私は私の真実をかけるのは
私の周りに色々な作家がいてくれるから。

そんな小説の力を信じている西加奈子。

放送後に、一冊の本がよみたくなるような
放送でした。

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