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8月15日放送の京都人の密かな愉しみ夏。
挿入ドラマその一「真名井の女」。
井戸を掘る仕事する男、八神湧一。
最近顔色が良ろしくない。
毎晩出かけている。
きれいな女将がいる小料理屋。
しかし、その視線が怪しい。
店の雰囲気も怪しい。
上品な店なのだが、ほかに客がいない。
女将は嫉妬深い
八神湧一は女将を好きだと言っていた。
しかし、ほかにも気になる女性がいる。
会社の事務員。
いつも美味いお茶を淹れてくれる。
女将はそのことに気づく。
嫉妬深い。
「うちだけを見ていてほしい」
男で苦労していた女将。
井戸掘りは申の下刻まで
八神湧一は井戸の中で酸欠を起こす。
今日は帰って休むように言われる。
時間は午後3時を過ぎていた。
京都の地下水脈は海に通じている。
特に古い丸井戸は潮の満ち潮の影響を受ける。
だから午後3時を過ぎたら井戸に入るな。
京都の仕事にはしきたりがある。
憑りつかれて
久しぶりに早い時間に家に帰った八神湧一。
しかし、女将が待っているに違いない。
女将に会いに行ってしまう。
酒の間にやわらぎ水を飲む。
これは路地にある井戸の水。
生気を吸われていく八神湧一。
八神湧一がいたのは小料理屋ではない。
小さな井戸の前だった。
それが鉄輪(かなわ)の井。
鉄輪の井戸の伝説
昔、夫の浮気に苦しんでいた女がいた。
悩んだ挙句に夫を呪った。
丑の刻、貴船神社へ呪いの願いをかける。
頭に鉄輪を付けて。
7日目でその呪いが叶うはずだった。
しかし6日目で女は力尽きてしまった。
家の近くに井戸の前で倒れてしまった。
女を哀れに思い鉄輪を祀った。
それが鉄輪の井の由来。
この井戸の水を飲ませると縁が切れる。
そんな伝説が生まれた。
現在、鉄輪の井は見つけにくい。
民家の門の中にある。
狭い通路を抜けた先にある小さな井戸。
しかも井戸は金網で覆われている。
もう水は汲めない。
すぐそばには命婦稲荷社。
こちらは縁結びの神様。
マイナスにはプラスの力。
これで世界は平衡を保つものである。
土用の間の忌み事
立夏、立秋、立冬、立春。
その前の18日間を土用という。
この時期は土の神様が動かれる。
土木の仕事はしてはいけない。
神様に叱られる。
ただし土用の前に着工した仕事はしてもいい。
特に仕事始めを土用の入りにしてはいけない。
八神湧一は土用に仕事をしていた。
鉄輪の井戸の化身
八神湧一が土用に仕事をしたのは1年前。
それが鉄輪の井。
鉄輪の井は枯れ井戸。
近くにある手水をメンテナンス。
その時に女将に声を掛けられた。
手水の手入れをしてくれたお礼をしたい。
出会いはそんな感じだった。
着物姿のキレイな女将に魅せられた。
天之真名井に守られて
八神湧一に美味しい水を淹れてくれる事務員。
水は天之真名井(あめのまない)。
市比賣神社(いちひめじんじゃ)の中にある。
ここの水を飲んでから参拝。
心からの願いを一つだけ叶えてくれる。
彼女の願いは、八神湧一に災いがこないこと。
女将から八神湧一を守ったのは彼女。
そして天之真名井の水。
10年近く前に井戸の手入れを熱心にしてくれた。
おかげ今も井戸は枯れていない。
事務員が会社に来たのは1年前。
ずっと八神湧一を守り続けていた。
京都の名水には不思議な力がある。
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