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2016年9月1日放送のカンブリア宮殿。
おかしのデパートよしやの経営の秘密を探る。
社員に色々なものをプレゼントするよしや。
でも本質はそこにはない。
よしやは経営者の想いが社員に伝わっている。
全力で社員を幸せにしようとする思い。
それが52年間赤字無しの秘密。
よしやの売れ筋
ポテトチップス 69円。
売られているお菓子1400種類。
スーパーやコンビニにはおいていない珍しいお菓子。
船岡製菓の『生姜つまみ』 193円。
シーワンの金の飴 183円。
種なし干し梅をべっこう飴で包んだもの、沖縄名産。
他にはおいてないからお客はまたくる。
よしやは菓子問屋
52年間赤字無し。
いまや101店舗のチェーン。
本社は大阪 摂津市。
1階は配送センター。
自社チェーン以外にもス―パーや小売店にお菓子を卸す。
菓子問屋の側面も。
年商121億円。
会長神吉武司の横顔
1956年15歳で菓子メーカーに就職。
23歳の時、取引先の菓子問屋から店を継いでくれと打診される。
これが吉寿屋の創業 1964年。
社員僅か5人の船出。
神吉の信条。
人様より早く店を開ける。
年中無休にする。
そんな当たり前を継続してきた。
案の定、売れ行きは群を抜いた。
1986年にはお菓子のデパートよしやを開店。
小売りに進出。
いまや関西に101店舗を展開する一大チェーン。
1号店は大阪北区天満に開いた。
おかしのデパートよしやの販売戦略
お菓子は平台において、パッケージを見せる
いわゆるフェイスアウトのディスプレイ。
パッケージの顔が見えると美味しそうに映る。
そして子供でも取りやすいように台は低く。
置けるアイテムは少なくなるが売り上げは3割アップ!
値札を張らず価格を揃える
色々な種類の商品を値段で分類。
値札を貼らない事でコスト削減。
コストが下がれば安く売れる。
後発参入は新しい事をしないと駄目。
どの店より早く店を開ける
サラリーマンをターゲットに9時開店を7時に!
売上は3割伸びた。
他人の幸福に関与する幸せ
朝に必ず唱和する言葉。
願う従業者の幸福。
成績一番の社員に500万円
結果を出せば報われる会社。
これなら社員はやる気を出す。
あみだくじで当たった社員に金の延べ棒
成績に関係なく運が良いだけで貰える。
それが時価500万円の金の延べ棒。
重さ1キロ。
じゃんけん大会の景品も凄い
貰えるのは社員さんだけではない。
パートさんにも、その恩恵が。
炊飯器が当たったり、32型のテレビも。
教育補助金制度
社員の子供にも補助。
大学生、短大、専門学校生。
社員は月額1万円。
準社員には5000円。
社員還元は年間7000万円
利益の半分は税金。
残った半分を3等分。
その額が7000万円。
つまり税引き後利益が2億1000万円ある会社という訳。
社員に配った後の利益は内部留保と先行投資。
利益は社員が儲けたもの。
その利益を会社のお金と思うか社員のお金と思うかの違いが普段の行いに出る。
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経営者神吉兄弟に訊く
経営者の態度が社員をやる気に
経営者は誰よりも働き工夫する。
これは当たり前。
弟3時、兄5時出勤。
パートが商品分類しやすいように箱出しする。
こんな毎日の振る舞い。
自分たちの想いを社員には強制しない。
言わなくても思っているだけで社員には考えが伝わる。
自分で分かっているより社員は理解している。
だから思いは大事。
社員への報奨は過去へのお礼。
これからの見返りは求めない。
吉寿屋の報奨制度
- 年間優秀社員 年棒3000万円
- 年間優秀パート 年棒1000万円
- 持ち家購入祝い金 100万円
- ジャンケン大会 世界一周旅行
- あみだくじ大会 金の延べ棒
- 社員旅行 香港ディズニーランド
利益が出たら社員に分けるのは普通。
何にも不思議なことはない。
社員の家族にも還元する
ユニクロお買い物ツアー。
1万円まで買い放題の報奨制度。
社員を支えてくれる家族へ会社からのプレゼント。
毎年90人の社員に当たる。
奥さんや家族は大事にされていることを実感する。
家庭が支えてくれると事故もない。
仕事は楽しくやらないと駄目。
出入りの運送業者にも還元する
3カ月に一度御礼の品を。
飲み物2ケース。
スイカ1玉など。
ふと来た時に貰えるのでびっくりする。
運送業者が来てくれるから吉寿屋が継続して生き残ってこれた。
企業と社員だけが良かったらいいではない。
企業にかかわるすべての人が良かったと思ってくれる会社づくりが大切。
利益を生む1円大作戦
菓子・パン類卸売業の慶所利益率は0.66%。
この意味は100円の菓子を卸しても利益は1円に満たないという事。
だから1円でも安く仕入れる。
利は元にあり。
1円をどうやって獲得するか。
みんなが必死になって1円のことを考える。
これが1円大作戦。
作戦その1段ボール再利用
朝、箱出したメーカーからの段ボール箱。
これを各店舗の配送用に使う。
直営店だけでなくスーパーにも段ボールを再利用。
段ボールを買えばお金がかかる。
お金儲けだから、儲けの為には何でもやる。
そしてくたびれて再利用できなくなった段ボールはリサイクル。
これが年間200万円の利益。
ただで貰ったものが200万円になる。
作戦その2文房具には名前をつける
ボールペンの本体には名前をつける。
無くなった時に他の社員にきけるから。
そしてインクがなくなったら替え芯を使う。
それも使用履歴を書き、他の社員に認証してもらう。
これで文房具がいつのまにかなくなることはない。
作戦3駆け足タイム
1日4回15分。
休憩前は走って移動するのが決まり。
移動時間も無駄にしない。
自分に還ってくると思うからみんな本気。
それで生み出した利益率が3.5%。
商売する前に利益が出る仕組みを作っている。
吉寿屋は返品ゼロ
平成22年7月1日より実施した取り組み。
八百屋も果物屋も魚屋にも返品制度はない。
お菓子業界は商習慣が悪すぎる。
返品すればお菓子は廃棄される。
お菓子と生まれてきた以上、最後までお菓子として生かすのが努め。
売れ残ったものは半額にして売り切る。
これがメーカーへの負担を減らす。
お菓子はお嫁さんで生きている
お菓子の仕入れは嫁入りと同じ。
お菓子を倉庫に入れておくと傷んでしまう。
日の目を見させることが嫁を大事にすることに。
お菓子が喋った
倒産する取引先に出荷する前の時。
お菓子が自分に話しかけた。
僕を出荷するとお金を貰えませんよと。
そのお菓子の予言通り取引先は倒産。
850万円の損失を出した。
村上龍の編集後記
人よりも多く働く。
吉寿屋の戦略は拍子抜けするほどシンプルだ。
他店よりも早く開店し、創業からしばらくは休日を返上した。
自分がいい思いをするよりは、周りの人が喜ぶのがみたいという武司氏の価値観は、自然に従業員への手厚い報奨に結びつき、大きな動機付けとなっている。
武司氏は、毎日早朝にまず倉庫に行き、お菓子の皆さん、お早うございますと挨拶する。
武司氏にとって、お菓子は、単なる商品ではなく愛すべき生きものなのだ。
商品と従業員に対し、無私の愛情と感謝を抱き、誰よりも多く働く。
そういう人に、ビジネスの神様は必ず微笑む。
お菓子は生きているー村上龍
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