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2017年6月3日の王様のブランチ。
松坂桃李主演で映画化された「つなぐ」。
作者は辻村深月。
辻村深月の最新作が「かがみの孤城」。
「一気に読めた!」
「感動した!」との声が高い。
どんな作品なのかを紹介。
学校に居場所がなくなった7人の物語
主人公は中学生の安西こころ。
「ブース!」「マジ死ね!」
学校では辛い思いばかりだった。
ある日部屋の鏡の中へ入ってしまったこころ。
そこは城の中。
事情を抱えた中学生がほかに6人。
城の案内人はオオカミサマ。
オオカミサマからの指令を受ける7人。
1年以内に城に隠された1本の鍵を探すこと。
見つけた人の願いが叶えられる。
辻村深月を初心に戻した作品
辻村深月のデビュー作。
「冷たい校舎の時は止まる」
校舎に閉じ込められた高校生8人。
2カ月前に自殺した級友の謎に迫る物語。
書くのが楽しくて仕方がなかった辻村深月。
「かがみの孤城」は7人の中学生による密室劇。
似たようなシチュエーション。
辻村深月をデビュー当時の気持ちに戻してくれた。
執筆において注意をしたこと
辻村深月が13年ぶりに書いた10代の密室劇。
書く時に気を付けたことがある。
「”いじめ”とか”不登校”という言葉を使いたくない」
主人公は学校を行かないと選択。
主人公の気持ちを丁寧に書くことに重視した。
「一人一人違う形の傷がある」
大きな括りにしない。
大人になったからこそ気をつけようと思った事。
二人の対照的な先生
主人公こころの担任は伊田先生。
どこか上辺で接してくる。
こころは緊張してしまう。
フリースクールの喜多嶋先生は対照的に違う。
こころに寄り添ってくれる。
「だって、こころちゃんは毎日闘ってるでしょう」
学校に行かない選択も闘いだった。
それをわかってくれる喜多嶋先生は貴重。
いい大人もいる象徴になっている。
今作で伝えたい思い
辻村深月が今作品で伝えたかったことは何か。
子供に対しては、
「信頼できる大人もいる」
大人に対しては、
「かつてのあなたの話だったでしょう」
そう感じてもらえたらと思っている。
キャラクターに導かれた感動のラスト
「かがみの孤城」ラスト数10ページが圧巻。
物語の伏線の意味が見えだしてくる。
ラストから書いたと思われる内容。
しかし、ラストを決めずに書いていた辻村深月。
途中からキャラクターが頭の中で生き始めて、
それぞれがしゃべり出し、
泣いたり笑ったりするのを辻村深月が一緒に感動していた。
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