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2018年1月30日のセブンルール。
書店員、新井見枝香37歳。
三省堂書店に勤務。
本屋大賞の実行委員でもある。
新井賞という独自の文学賞を設立。
同時発表の芥川賞・直木賞よりも売れることもある。
本の売り上げを左右する最強の書店員。
新井見枝香のセブンルールとは。
1 ポップに感想は書かない
三省堂書店神保町本店。
そこの営業本部が新井見枝香の勤務先。
来店する作家の対応やメールの対応がお仕事。
しかし、新井見枝香は毎日売り場に行く。
売れる本の置き方になってるかをチェック。
料理の本を売る為に私物の食品サンプルを飾る。
ポップをPCで印刷。
ポップで新井見枝香が気を付けていることがある。
泣くとか怒るとか感想は書かない。
読後の感想は人それぞれ。
感想を押し付けない。
2 芥川賞直木賞と同時に新井賞を発表する
新井見枝香の両親は読書好き。
生活の中にいつも本があった。
何気なく始めた三省堂書店でのアルバイト。
本を売るのが好きになった。
有楽町店では「新井ナイト」を行った。
毎晩のように作家を招待してトーク。
店舗の売上につなげてアルバイトから正社員へ。
新井見枝香が推すと本がブレイクする。
相葉英雄の「震える牛」もその一冊。
今まで売れていたかどうかとは関係なく仕掛ける。
小学館に100冊くださいって言ったら正気ですか?って。
有楽町店で勤務していた時に猛プッシュ。
よく売れた。
面白いものは人に伝えたい。
千早茜の「男ともだち」も面白かった。
しかし直木賞候補になったが落選。
ただの落選した本にしたくなかった。
ここで新井賞を設立。
第一回の受賞作が「男ともだち」である。
今は芥川賞直木賞と同時に新井賞を発表。
きっかけは面白いものを落選のマイナスイメージから救うこと。
この男ともだち。
その時の直木賞よりも売れた。
今月、第7回の新井賞。
それは桜木紫乃の砂上。
人はなんで小説を書くのか?
人はなんで小説を読むのか?
その答えが書いてある本。
3 毎日 本を買って帰る
午後6時業務終了。
新井見枝香は帰らない。
これから売り場で本を買う。
たまにはバイト代を越える金額になることも。
この日、新井見枝香が買った本。
ニッポン定食散歩 今柊二
息子が人を殺しました 阿部恭子
毎日買う本は読みきれない。
一生かけても読みきれない。
それでも新井見枝香は本を買う。
4 残高は気にしない
作家樋口毅宏との会話。
生活を助けてくれるあしながおじさんがほしい。
新井見枝香の貯金残高。
無し。
全て食費と本に消える。
お金を使っている感覚がない。
寿司を食べている。
アイスを食べている。
食欲を楽しんでいる。
お金のことは気にしない。
給料明細は、勿論見ない。
貯金あっても明日どうなっているかわからないし。
5本は雪崩が起きたら捨てる
自宅の本棚。
棚が可愛そうなくらいきしんでいる。
床においてあるのは読みかけの本。
本は売らない。
紙ごみの日に捨てる。
中身が自分の中に入ればいい。
残った本は厳選されたものではない。
ただ雪崩落ちなかっただけ。
6 会社に縛られない
出版業界紙「新文化」やWebメディア「cakes」に連載を持つ。
昨年末には初のエッセイ集「探してるものはそう遠くはないのかもしれない」を上梓。
でも出版記念イベントは三省堂ではない。
行ったのは渋谷の大成堂書店。
勤務先以外の書店で買う本も多い。
会社のためにとは考えていない。
会社のために働いているんじゃない。
気分はフリーの書店員。
自分の好きな本が、どこかで売れてくれればいい。
7 売り場仕事をやり続ける
人事異動の辞令。
やった!もらったぜ!
神保町本店の売り場に戻れる。
自分の力で勝ち取った感じ!
営業本部異動後すぐ売り場に戻りたいと言い続けてきた。
頼まれない仕事を地道に続けたのを偉い人は見ていてくれた。
新井が仕掛けた本がランキングの上にあるとか。
前年比ずっと上がってんなと思ってもらえるようにじわじわと続けた。
大好きな売り場に戻るために。
出版業界は冬。
将来がどうのこうのとか言っている場合じゃない。
今、この場所でなんとか結果を出す。
それが新井見枝香の矜持。
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