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2019年7月30日のセブンルール。
静岡県生まれ、田沢あかね
子供の頃から活字中毒。
京都大学で国文学、中国古典を読み漁り、
就職先は学研。
26歳から”言葉選びシリーズ”の企画編集を担当。
言葉を愛し、仕事を愛し、人を愛する、
田沢あかねのセブンルールとは?
1 デスクは無理に片づけない
東京都五反田、
学研プラス。
田沢あかねは新刊の表紙サンプルをチェック中。
新刊は”色のことば選び辞典”。
色に関することばを約270語を収録。
言葉の説明は挿絵はそれぞれ委託している。
出来上がりをチェックするのが田沢あかねの仕事。
さて、田沢あかねのデスク周りは…美しくない。
地震があったら崩れそうな書類の山が左右に鎮座。
相棒の辞典は書類の下に埋もれている。
しかし、これが田沢あかねにとってベストな環境。
必要なものは手が届く範囲にある。
大事なものは書類の上にある。
しかし、整理整頓が仕事の近道ってこともあるのだが…。
2 読者像は細かくキャラ設定する
「文豪の視点で小説を書きはじめたが、
よく考えたら私は文豪ではなかった。詰んだ」
「台詞がやたら薄っぺらい…嗚呼、我が語彙力よ降臨したまえ」
田沢あかねの辞典のまえがきは独特である。
まえがきは読者へのお手紙。
田沢あかねは読者のキャラを細かく設定。
”色のことば選び辞典”の読者キャラは小川由佳さん33歳。
田沢あかねは小川さんへの為に仕事をしている。
3 行き詰まったら書庫に逃げ込む
新刊のキャッチコピーの思案中。
デスクから移動した田沢あかね。
行先は辞典編集部の書庫。
「頭の中で糸が全部絡まっているような状態」
そんな時は一番落ち着く場所に行く。
書庫には中国の古典などが並んでいる。
先人たちが残してくれた言葉や文字。
それを学ぶことで癒されている。
4 外出時は聞き耳を立てる
午後5時。
会社に出て散歩をする田沢あかね。
一駅分ほど歩く。
気分転換だけではない、行き交う人の会話を聞いている。
用例採集か。
映画「舟を編む」でもこんなシーンがあった。
そして、企画へのヒントを掴むこともある。
「新選組の羽織の色が何だっけ?」
誰かのつぶやきが田沢あかねの次の企画のヒントになる。
5 お気に入りの言葉は積極的に使う
夜7時。
居酒屋。
会社の同期会で幹事を務めていた。
今回メンバーに送ったLINE。
「気淑く風和らぎ、ということで
令和初の同期会につきリマインドと連絡です」
最初のところ、読めましたか?
”気淑く風和らぎ”=きよくかぜやわらぎ。
万葉集の訓読です。
”令和”の出典元も、万葉集。
ニュースで報じられていましたよね。
”梅花の宴 初春の令月にして気淑く風和らぎ・・・”
多くの人はすっかり忘れていると思います。
でも、田沢あかねはいい言葉を知ったら使う。
そして周りの人にも知ってもらいたいんですね。
6 大事な会議の前日はスケートのノーミス演技を観る
校正者が修正した内容。
田沢あかね自身が修正した内容を見比べる。
周りの経験豊富な編集長へ聞いて判断を仰ぐこともある。
夜8時。
「ただ今帰りました」
一人暮らしの部屋に帰った田沢あかね。
明日は大事な会議がある。
その会議で新刊の部数が決定。
テレビの前に正座。
大好きなフィギュアスケートの録画。
しかも、ノーミスの演技。
短い時間に集中して演技する選手に思いを馳せる。
大事な会議の前に自分に喝を入れるためだ。
翌日、全力を尽くした。
部数は倍になった。
7 愛を持って言葉を選ぶ
田沢あかねは、会話中何度も言葉を選ぶ。
今の気持ちを伝えるにはどの言葉がふさわしいのかを考えている。
何度も言い直して、要領を得ないこともある。
挿絵のチェック。
良かったなと思ったら、褒める、喜ぶ、感謝する。
自分が考えが伝わるように言葉を選ぶ。
良かったところを中心に伝えたい。
人に対しても言葉に対しても、
愛とか敬意を持っていたい。
だから、SNSは積極的には使わない。
言葉はすごく強力。
影響力を考えると、言葉選びに慎重になる。
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