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2019年7月2日のセブンルール。
「溺れるナイフ」。
「ホットギミック ガールミーツボーイ」。
映画監督、山戸結希。
30歳。
少女の心理描写が上手いと定評がある。
山戸結希のセブンルールとは?
1 「よーいスタート」は小声で
日本映画専門チャンネルステーションID。
CM撮影をする山戸結希は脚本も担当する。
コンセプトは、映画作りの魅力を伝えるもの。
主演は乃木坂46の堀未央奈。
「ホットギミック ガールミーツボーイ」でも主演を務めた。
堀未央奈は今回一人三役。
さて、山戸結希は声がとっても小さい。
演出指導の時も、「よーいスタート」と撮影を始める時も。
観客役として座る堀未央奈。
山戸結希は、たった一人の役者の為だけに声をかける。
だから小さな声でいい。
「バトンを渡すような気持ち」で声をかける。
役者の堀未央奈はどう感じているのだろう。
「1対1で向き合って安心させてもらえるような優しさ」と言う。
役者重視。
役者が撮影やすいようにしている。
しかし、山戸結希は普段から声が小さい。
2 役者の髪に神経を注ぐ
セリフのある芝居の途中。
山戸結希がカミカワさんを呼ぶ。
前髪のわずかなニュアンスを調整してもらうのだ。
「役者さんの人生で一番美しく撮りたい」
だから、前髪にこだわる。
山戸結希は撮り終わっても前髪のことが気になる。
「”美しい”としか言い表せない瞬間をあなたにおいて撮ります」
役者の”美しさ”にこだわる。
男性キャストの時もそれは同じ。
清水尋也は髪が長い役だった。
「この1本だけもうちょっとこっちにしてください」
とか言うらしい。
1カットを撮るために日が暮れるくらいまで時間をかける。
山戸結希が求める美しさは性別を超えている。
3 物語の解釈は観客に任せる
山戸結希は愛知県刈谷市生まれ。
周囲は田んぼばかりだった。
10代の時は何もしてなかった。
何をやっても面白くなかったと言う。
本屋と映画館だけが遊び場。
上智大学文学部哲学科に進学した山戸結希。
研究者を目指していたが、それが変わった。
きっかけは友人に勧められたサークル。
そこで1本の映画を作成した。
それが「あの娘が海辺で踊ってる」
故郷になじめない少女が上京するまでを描いた。
東京学生映画祭審査員特別賞を受賞。
「これしかないやることがないと思った」
その後、思春期の少女をモチーフに多くの映画を作成。
「基本的に10代というのは何にでもなれるし、
何を目指してもいい時間で何も諦めなくても良い」
山戸結希は少女たちにエールを届けたい。
番組スタッフが山戸結希に聞いた。
「あれってハッピーエンドなんですか?」
答えはない。
観客には自分が言いたいことを言う自由がある。
「私が正解を言って観客の正解を否定したくない」
正解は観客の数だけある。
4 「生きている」場所で撮影する
ロケ地の下見。
山戸結希は、廃墟風にアレンジされた古い工場に行く。
しかし、ここではない。
「映画館は室内なのでイメージが飛躍する場所は室外」
山戸結希の意見を元に移動。
海に出た。
「画としてどうかというようりも
生きている場所で撮影することが大切だと思っている」
役者がその場所と会話できるところを探している。
5 年下の女性には優しくする
山戸結希のある日の夕食。
若手の女優と映画監督、大学時代の同級生。
まるで女子会。
山戸結希はオレンジジュースで乾杯。
この日は最年長だった山戸結希。
自ら料理を取り分ける。
2018年、オムニバス映画「21世紀の女の子」を企画した。
参加した女性監督は15人。
山戸結希はどうやらライバルを育てようとしている。
女性の監督は増やしたい。
ライバルが増えるほど自分も成長すると思っているからだ。
6 書店では本のタイトルを見る
青山ブックセンター本店。
山戸結希は本屋さんでビジネス書のタイトルを見る。
例えば、
「入社1年目のエクセル仕事術」って本がある。
タイトルに普遍的な日本人の働く人の悩みを感じる。
新入社員にとってエクセルが大きな壁だとわかる。
いろんな言葉がベストタイトルとして選んでいる。
どういう視点で伝えるか。
どう解釈するのか。
本のタイトルには時代が映っている。
山戸結希は3時間も本のタイトルを眺めることもある。
「何だって映画になるんだと思った時に、
自然にそういう風になりましたね」
7 田舎の女の子の気持ちを忘れない
映画に出演した俳優・板垣瑞生のライブ。
山戸結希の興味はライブよりも観客にいる女の子たちのようだ。
ペンライトを持って大声でアイドルを応援している女の子たち。
普段は大声を出さないがここでは出せる子もいる。
こういうことに救われている子がたくさんいるなと思ってると言う。
山戸結希は少女の頃、友達と一緒に映画を観ていた時、
観終わってからどんな感想を言おうかいつも考えていた。
「空気を読んで譲ってしまうという振る舞いを
選択した途端に閉ざされる道はとても厳しく存在している」
空気を読んでばかりの少女だった自分。
あの時の気持ちを山戸結希は忘れないようにしている。
映画以外にやりたいことはないのかと番組スタッフが聞く。
「体力をつけたい」と言う。
それは映画を撮りに行くため。
映画を撮るしかない。
それは少女の頃の自分へのエールなのかもしれない。
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