セブンルール星美知子が北岳両俣小屋番を39年続ける訳とは?


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2019年9月10日のセブンルール。

南アルプスの山小屋、両俣小屋。

小屋番をする星美知子69歳。

登山客に寝床と食事を提供。

アットホームな小屋と人気。

小屋番、星美知子のセブンルールとは?

1 小屋びらきは常連客と一緒に

6月。

星美知子はふもとの自宅から物資を持って出かけた。

最初は車、途中から荷物を小さな背中に背負う。

荷物の重さは約15キロ。

腰に熊よけの鈴。

同居のネコはキャリーごと背中にいる。

8キロの山道を2時間かけて歩く。

助手の牧野さんが小屋の直前で荷物を持ってくれた。

半年ぶりの我が家、両俣小屋が見えた。

標高2013mにある山小屋。

1階は受付とコタツのある歓談スペースと食堂と厨房。

2階はお客さんの寝床。

発電機で電気。

男性の常連客たち水道をつなぐお手伝いをしてくれる。

大きな音をたてながらヘリコプターもきた。

空からするりと物資を降ろす。

これは発電機を動かすオイルやガスボンベ。

これで小屋開きができる。

2 新鮮な野菜を夕食に入れる

星美知子は朝3時に起床。

4時半には登山客が食事ができる。

登山客の朝は早い。

枕カバーを手洗い。

常連客に掃除を手伝ったもらう。

そして、一服。

午後3時には夕食の準備を始める。

両俣小屋の夕食は野菜が多い。

通常、登山中は野菜が不足する。

しかし、某日の両俣小屋の夕食。

キュウリ、人参、玉ねぎのサラダ。

カボチャ、ピーマン、ウドの天婦羅。

一泊二食付き7700円。

標高2000m超の山小屋で野菜をどう調達しているのか?

星美知子が週に一度、半日かけて買い出しに行く。

実は、これが楽しみでもある。

「お客さんが喜んでくれるのが一番」

だから、ふもとへの往復も苦ではない。

山がくれた命

星美知子は福島県南会津出身。

10代の頃は結核のために入退院を繰り返した。

親は体を心配し、負担がかかることを禁止した。

しかし、「それでは生きている意味がない」と思った星。

大学に入ろうと東京へ行く。

最初に住んだ場所が、高田馬場。

1年浪人し早稲田大学戸山キャンパスへ通う。

大学では万葉集を勉強。

卒業後は出版社に勤務。

だが、多忙の為自律神経失調症になり退職。

体を丈夫にする為に選んだのが山登り。

南アルプスのスキー場や山小屋で勤務。

すると少しずつ体力がつき始めた。

鍛えれば人間は強くなれることを知った。

星美知子31歳の時、両俣小屋の先代が引退。

引き継いだ。

両俣小屋では羽毛布団を使用している。

軽くて、暖かい。

これも登山客のためである。

4 麓では6時10分から7時まで歩く

11月~5月のオフシーズン。

星美知子は自宅で生活。

一人で暮らすには広いはずだが、本棚がぎっしり。

広いけど狭い部屋になっている。

ミシンで枕カバーを手作り。

朝には日課にしていることがある。

星美知子は朝6時10分に家を出る。

ジャージで姿で歩いて7時に帰宅。

50分で戻れれば正常。

それ以上かかれば調子が悪い。

トレーニングかつ調子のバロメーターでもある。

5 休日はパチンコを嗜む

星美知子のオフシーズンの楽しみ。

それはパチンコ。

大好きな台は”エヴァンゲリオン”。

エヴァンゲリオンのことはパチンコで知った。

それからテレビ版DVDを買って勉強。

パチンコから別の世界を教えてもらった。

6 毎日 天気図を手書きする

「41人の嵐」

星美知子の自費出版の本である。

それは両俣小屋95年の歴史での一番の危機が描かれている。

1982年台風10号。

両俣小屋の1階部分が倒壊。

小屋から20m離れた渓流が氾濫。

登山客41人で下山した記録。

星美知子はその後続けていることがある。

ラジオを聴きながら天気図を書くこと。

小屋番になった頃、2週間集中して訓練を受けた。

天気図を見せれば登山客に避難を呼びかけやすい。

7 来た客は全員泊める

両俣小屋に予約をしていない客が来た。

それを受け入れる星美知子。

今は事前予約をお願いする山小屋も多い。

しかし両俣小屋ではいつもでウエルカム。

ここで断れば登山者は更に歩かなくてはいけない。

次の山小屋まで何キロもかかる。

予約は入らないが早めに来てほしい。

それだけ。

星美知子は若い頃に患った病気に感謝している。

病気をしていたから今の生活がある。

良かった。

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