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2020年4月1日のヘウレーカ。
あなたが知らないアリの世界!
世界中にどこでもいるアリ。
たくさんのメスの働きアリと一匹の大きな女王アリで形成される社会。
しかし、ちょっと変わったアリ社会もある。
トゲオオハリアリの生態を紹介。
トゲオオハリアリ
体長10ミリ。
生息地は奄美大島~沖縄(暖かいところが好きなんですね)。
特徴は毒針で獲物を捕らえる(怖いですね)。
アリの子育てを研究する藤岡さん
一般的な女王アリは働きアリよりもかなり大きい。
しかし、トゲオオハリアリの社会は違うらしい。
教えてくれるのは、藤岡春奈さん。
生息地は大阪(大阪市立大学)。
日本学術振興会 特別研究員。
アリの子育て時の活動リズムを研究。
子育てのを4つの段階で分けて働きアリを観察。
- 子育てしていないアリ
- さなぎの世話をするアリ
- 卵の世話をするアリ
- 幼虫の世話をするアリ
5日間観察してわかった。
子育てしていないアリとさなぎの世話をするアリは定期的に休む。
しかし、卵と幼虫の世話をするアリは24時間活動。
子の成長に合わせて活動量を変えていたことがわかった。
ゲマがあるのが女王アリ
トゲオオハリアリ女王アリには特徴がある。
体の大きさはほとんど働きアリとほぼ同じ。
だが、体の胸の部分に違いがある。
女王アリには赤い羽の痕跡器官(ゲマ)がある。
しかし働きアリはその部分が黒くなっている。
よ~く見ないと気づかないゲマの存在。
ゲマは女王アリになる挑戦権
トゲオオハリアリの働きアリにはないゲマ。
しかし、羽化したばかりのアリには全てゲマは付いている。
藤原さんは、
「全てのアリは女王アリになる挑戦権を持っている」と言う。
では、いつゲマは無くなるのか?
ゲマ噛み切りの儀式
観察タイム。
この撮影には日本一のアリ採り名人島田拓さんと蟻ディレクターこと廣岡さんの入念な事前準備で可能になった。
羽化直前の繭から羽化した個体を撮影直前に準備する事ができたのである。
羽化したばかりのアリを巣に近づけた。
すると、1匹の働きアリが出てきて新入りアリを見分。
すると働きアリはリクルート行動を開始。
直接接触し情報を伝え道案内をするのだ。
仲間の働きアリを呼びだし、新入りアリの周りに集まった。
観察から30分後。
新入りアリが巣の中に連れていかれる。
抑えられて、1匹の働きアリにゲマが噛み切られた。
そして、数分後女王アリが登場。
自らもう一つのゲマも噛み切った。
女王アリになれる条件とは?
新しいアリが生まれる度に行われるゲマ噛みきりの儀式。
しかし、ゲマを取られないケースもある。
例えば、なんらかの理由で巣の中に女王アリがいない。
もしくは、
女王アリが弱っている(産卵能力が落ちている)。
そのアリの能力ではなく、タイミングの問題。
藤岡さんは「チャンスはあるので平等ではある」と言うけれど、
運だけが頼りって感じです。
最高のオスの死に方
さて、トゲオオハリアリのオス。
小さな頭の羽あり。
交尾のチャンスは年に一度。
しかし、交尾をしたアリは死んでしまう。
切ない話です。
交尾をするとオスの腹部の先がメスの腹部に包まれた感じになる。
こうなると、自分の意志では取り外せない。
交尾した状態で巣に戻るのです。
その周りに働きアリたちが戻りだして更に1時間後。
オスの頭が外されている。
働きアリは長い時間をかけてオスを解体するのです。
解体されても交尾を続きます。
おぞましい話です。
交尾をしたオスの100%はこの死に方です。
しかし、自分の子孫を残すことができるのです。
これはトゲオオハリアリが長い年月をかけて、
確実に子孫を残すために考えた交尾の仕方だというのです。
スゴイです。
因みに又吉直樹はトゲオオハリアリのオスだとしたら、
未婚のオスになりたいそうです。
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