セブンルール文喫副店長林和泉は本と人間の出会いを仕掛ける


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2020年9月8日のセブンルール。

2018年に東京六本木にオープンした本屋。

「文喫」。

日本初の入場料を取る本屋。

副店長は林和泉28歳。

本とお客さんとの橋渡しをしている。

林和泉のセブンルールとは?

1 1タイトル1冊しか仕入れない

 文喫 BUNKITSU | 本と出会うための本屋

約3万冊の本が並ぶ”文喫”。

本の仕入れは林和泉の仕事。

仕入れ方もユニークである。

1タイトル1冊のみ。

売れている本をたくさん仕入れてたくさん売る。

これが効率の良い売り方。

だが、”文喫”は多くの本との出会いを勧める。

たくさんの種類を揃えることで、

多くの興味に応えようとしている。

2 検索機は置かない

”文喫”のスタッフは約20名。

接客やディスプレイはスタッフの意見を参考にする。

自由にやってもらうことで活気も出る。

では、日本文学の棚を覗いてみよう。

作家のデビュー年代ごとに本が並んでいる。

80年代以降は作家の数が多い。

芥川賞や直木賞受賞者などをひとくくりにしている。

本を探す場合はあいうえお順の方が発見が早い。

”文喫”は寄り道を推進。

寄り道をすることで新しい発見をしていほしい。

だから、検索機は置かない。

ここでは時間はゆっくりと流れている。

3 月曜日は父親とメールする

林和泉は1992年岐阜県に生まれた。

毎週末は父親と共に図書館へ。

図書館で家族は解散。

1時間後に戻ってくる。

この習慣は高校生になるまで続く。

本好きだとは自認してなかった。

ただ、気づくと身近に本があったのだ。

大学卒業後、日本出版販売に入社。

3年前、”文喫”立ち上げメンバーになる。

林和泉には毎週月曜日届くものがある。

父親からメールだ。

メールはそう長くはない。

父「こんばんは 特に変わったことはありません…暑いでんな、」

和泉「暑いでんな、でもまだまだって感じやな~~梅雨終わった??」

父親から返事は来ない。

これはいつものこと。

こんなやりとりが一人暮らしをしてから続いている。

11年間だ。

4 仕入れに迷ったら悩んだらTwitterで検索 

一日およそ100人が利用する”文喫”。

滞在時間の平均は5時間。

多くのお客さんが読みたい本が多いと言う。

1日200冊、新刊が出る。

全てをチェックし何を仕入れるかを決める。

林和泉が担当している。

参考にするのは、

タイトル、装丁、数行の内容情報。

そして、返本台。

本を片づけながらニーズを探っている。

だが、悩むのは値段が高い本だ。

今、林和泉は”ホッキョクグマ”の本で悩んでいる。

値段は12000円プラス税金。

高い…。

Twitterを検索。

出版社の力の入れ具合を調べる。

”ホッキョクグマ”の本を買う事に決めた。

5 常にしおりを持ち歩く

”文喫”の有料スペースは珈琲やお茶が飲み放題。

本を気に入ったら買って帰れる。

林和泉は栞をいつも持ち歩いている。

本は全て売りものである。

開いたまま机に伏せていると気になる。

本のキレイを維持するために栞をお客さんに渡している。

6 煮詰まった時はみじん切りをする

林和泉の一人暮らしの部屋。

週に一度テレワークを行う。

本棚にはジャケ買いした本も並ぶ。

”文喫”で行う企画展。

内容を考えるのも林和泉の仕事の一つ。

今までは、恋や鬱蒼などをテーマに企画展を開催。

次は”図鑑”をテーマにする。

ちょうど”図鑑の本”を持っていた。

それを見ながら新しい観点を探る。

考えに煮詰まったら、みじん切りをする。

頭の中をリフレッシュさせる為に料理をする。

7 とにかく多くの本に触れたい

”文喫”の選書サービス。

選書料は1100円。

お客さんの要望にそった本を選びススメル。

林和泉が対応しているお客さんは、

文学や歴史に詳しい人だった。

自分だと選ぶものが偏る。

他人に選んでほしいという。

しかし、これが結構難しい。

1週間をかけて13冊を選んだ。

一冊ずつメッセージを書いた栞を添える。

なぜその本を選んだのかを知らせるのだ。

林和泉は本を読むのが遅い。

1日一冊読むのが限度。

書店員として何とかして知識を広げたい。

そんな時に出会った本がある。

「読んでいない本について堂々と語る方法」

ピエール・バイヤール著。

最初から最後まで読まなくてもいいんだと思った。

劇的に自分が感銘を受けた部分があれば、

それはもう読んだと言えるのではないかと考えるようになった。

おかげで知っている本が増えた。

自分のおススメとお客様のほしいが重なる瞬間が楽しい。

その時が林和泉の至福の時である。

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