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2020年9月9日の何だコレ!?ミステリー。
南極で生き残ったタロジロ。
「南極物語」として映画化。
多くの人が涙した。
しかし、物語はタロジロの再会だけではなかった。
タロジロを支えた犬がいたことを覚えてほしい。
南極に取り残された15頭の犬たち
1956年11月。
南極大陸へ日本初の観測隊が向かった。
昭和基地は南極大陸にはない。
すぐ近くのオングル諸島にある。
19頭のカラフト犬も同行した。
カラフト犬は寒さに強くパワーがある。
約1000頭から選ばれたエリート犬。
第一次観測隊は任期を終え交代時期を迎えた。
犬たちは第二次観測隊に引き継がれることになった。
南極の気候は厳しい。
第二次観測隊が悪天候で送れた。
第一次南極観測隊の犬係は北村泰一さんだった。
メス犬と生まれたばかりの子犬を連れて行った。
オス犬たちは首輪を付けて残された。
食料は目の前に置いた。
事態は一変。
天候は更に悪化。
第二次観測隊は上陸できない。
そして、断念することになる。
北村泰一さんたちの船も接岸できない。
結局、15頭の犬たちは取り残された。
タロジロとの再会
南極に残された15頭の犬たち。
新聞は大きく報道。
国民は隊員判断を嘆いた。
北村泰一さんも自らを責め続けた。
南極の真冬はマイナス40℃位になる。
全滅したと思った。
1958年11月。
北村泰一さんは越冬隊に参加した。
そして、昭和基地でタロジロに出会った。
奇跡だった!
残り13頭の行方
13頭の行方を探した。
7頭は、首輪をされた状態で遺体で発見。
6頭は、首輪を外し行方不明。
海や溝に落ちたと推察された。
しかし、疑問が残った。
北村泰一さんと別れた時タロジロはまだ2歳。
経験が浅い彼らはどうやって生き延びたのか?
犬たちの食料はそのまま残されていた。
隊員用の食料もそのまま残されていた。
アザラシやペンギンを食べていたのか?
いいや、それはない。
アザラシは体重400キロ超で大きすぎる。
コウテイペンギンを食べた形跡はなかった。
恐ろしい話しだが、共食いという仮説もあった。
だが、7頭に大きな傷跡はなかった。
第3の犬
2018年。
タロジロの生還から60年後。
北村泰一さん86歳のもとに一人の男が来た。
当時新聞記者だった嘉悦洋さんだ。
タロジロの記事を書くための取材だった。
その時に北村泰一さんから第三の犬の話を聞いた。
帰国から8年後。
昭和基地で別の犬の遺体が見つかっていた。
第九次南極観測隊が見つけていた。
場所はタロジロ発見のすぐ近く。
首輪は付いてなかった。
可能性があるのは、
風連のクマ、アンコ、ジャック。
リキ、デリー、シロ。
発見時、犬の名前は特定されなかった。
犬係としてけじめ
第三の犬の遺体が発見された日。
別の遺体も発見されたいた。
第4次南極観測隊で遭難した福島紳隊員だった。
南極観測隊、唯一の被害者だった。
第八次南極観測隊は帰国の準備中。
第三の犬の詳細を調べることができなかった。
遺体は丁寧に弔っていた。
この犬の正体がわかれば、タロジロの謎もわかる。
北村泰一さんは嘉悦洋さんに協力をお願いした。
犬係としてけじめを付けたかった。
第三の犬を特定するために情報
第三の犬を特定するために情報が必要だった。
大きさや見た目はどうだったのか?
記録をさがしたが見つからない。
発見された当時、
北村泰一さんは遺体を見つけた隊員に電話していた。
しかし、有力な情報は得られなかった。
私的メモまで読み漁って調べた。
何も見つからないまま、1年近く過ぎた。
犬の検疫証明書を発見
嘉悦洋さんが資料を再度確認したところ、
犬のリストが出てきた。
犬の検疫証明書である。
名前、年齢、性別、体毛の色や体重などが記載されていた。
北村泰一さんに報告。
すると、北村泰一さんに変化が起きた。
データ資料を見て意識が覚醒されたようだ。
自信に満ち溢れた表情になった。
そして、
「白っぽかった」、「大きくなかった」との情報も加味し、
第三の犬はデリー、ジャック、リキ、シロに絞られた。
焦る嘉悦洋さんへ北村泰一さんから電話がきた。
「3日後に来てほしい」
明らかになった第三の犬
北村泰一さんと嘉悦洋さんが調べはじめて1年半。
第三の犬が明らかになった。
実は、食料基地は三つあった。
- 昭和基地近くの天然冷凍庫
- 調査計画に合わせて保管しておくデポ
- 調査ルート上にあったクジラの死骸
天然冷凍庫は運悪く海水が入ってしまった。
デポとクジラの死骸までは100キロ以上離れている。
可能な犬がいた。
リーダー犬のリキ。
危機回避能力があったリキ
リキ以外にも100キロ先の場所へ行ける犬はいる。
しかし、リキには特別な能力があった。
リキは昭和基地近くのキャンプで失踪したことがあった。
「リキ!リキ!」
懸命に探したが、見つからなかった。
だが、翌日リキは帰ってきた。
南極は危険な場所が多い。
危機回避能力と優れた方向感覚を生かして帰還した。
これはリキの大きな力である。
リキだからこそ、幼いタロジロを守り続けられた。
リキの死因
どうしてリキは死んでしまったのか?
「寿命だった」と北村泰一さんは話す。
北村泰一さんと別れた日、
リキは既に平均寿命を超えていた。
北村泰一さんがタロジロと再会した日、
リキはすぐ近くにいた。
リキの話は、一冊の本になった。
「その犬の名を誰もしらない」
だが、これからは多くの人が知ることになるはず。
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