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2018年8月12日のゲンバビト。
お盆の時期。
多くの人がお墓参りする時期である。
お墓ができるまでの一部始終に密着。
お墓の見方が変わるかもしれない。
墓石を採石
福島県田村市に大きな採石場がある。
日本で採れる石の種類は約80。
福島県では約20種類が採れる。
福石石材採石部、
渡部雄一さん43歳が仕事人。
石を切りだす方法の一つが発破。
そして、切りだした石に穴を開ける。
穴に楔を打って切る。
約7トンの塊にする。
これでトラックで運ぶことができる。
墓石ができるまで
株式会社フクイシは総合石材企業である。
墓石製造工場の加工部工場長、
斎藤善一さん51歳が統括。
つまりは出荷の最終責任者である。
墓石完成までは大きく4工程ある。
切る、削る、磨く、文字彫り。
切る。
石碑、上台、中台、香炉など、
お墓はいくつかのパーツに分かれている。
石をパーツごとに切り分ける。
削るのは直系2.5mの切削機。
鉄板の板の先端にダイヤモンドチップが付いている。
水を噴射しながら削る。
これは切削する時の温度で石が焼けないようにする為。
石を切るのに2時間かかる。
削る。
墓石に多く使われる滑らかなカーブ。
まずは機械で石に段差をつける。
手作業でブラインダーで削る。
「石屋は角に泣く」という言葉がある。
繊細な作業が求めれれる仕事である。
磨く。
墓石の命とも言える表面のツヤを出す。
キャリア20年以上の横田雅彦さん60歳。
エアポリッシャーと言われる研磨機を使う。
磨きで仕上がりが決まる。
エアで瞬時に乾かす。
ここでくすみを見つければ再度磨く。
ヤスリの面を替えながら何度も磨く。
「いかに自分の体を動かすか」それが勝負。
文字彫り。
ファントーニ石掘工房 匠の森。
彫る文字をゴムシートに印刷。
シートを墓石に貼り、
文字の部分を切り抜く。
この道18年の柳沼和美49歳が作業する。
墓石をトレーラーのような大きな箱に入れる。
側面の穴から手だけを入れて作業する。
文字の部分に鉄砂を噴射する。
失敗はできない、緊張する作業である。
開始から30分。
墓石の文字”上田家”の”上”の文字が完成。
よく見ると彫りの深さが一律でない。
書道を書いている感覚で強弱を付けている。
最後に斎藤善一さんが検品。
図面の指示通りに出来上がっているかを確認する。
故人への想いを繋ぐ仕事
出来上がった墓石は、設置業者へ渡される。
設置業者の繁忙期は、お盆やお彼岸の前。
千葉県松戸市の井比石材工業。
代表取締役は井比宏育さんは職人歴32年。
この日は3名で4㎡の土地に墓石を設置する。
お墓参りの人が近くにいる時は中止。
石材は角がかけやすい。
丁寧に慎重に扱うことが大事である。
今回設置するのは洋型の墓石。
クレーンで石材を運ぶ。
墓の両側の石を設置する。
石の底に合口加工と言われる溝がある。
この溝の中にモルタルが入り込むことでずれにくくなる。
しかし、墓石に基準はない。
合口加工をしない業者もいる。
合口加工がない場合は現場で作る。
設置業者によって建て方は違う。
井比宏育さんは、
「自分ちのお墓を立てるつもりでやれ」と言う。
使命を持って仕事をしてほしいのだ。
井比さんは中卒である。
職人にでもなるかと軽い気持ちでこの業界に入った。
17歳。
不真面目だった。
仲間と下世話な話をして大笑い。
近くにいた施主の女性にお叱りを受けた。
仕事の意味を知り、たいへん申し訳なく思った。
そして、仕事の素晴らしさに気づいた。
墓石の設置作業開始から5時間。
炎天下での作業。
墓石の温度が50度になり、火傷しそうになることもある。
墓石は強力な接着剤を使用する。
そして、伊比さんの最後の仕事。
納骨室の掃除。
「ここはね 一番肝心な所」
亡くなられた方と残された人が
対話する場所を作っているのだと言う。
靴を脱ぎ、お墓を磨きあげる井比さん。
作業開始から8時間。
設置が完了した。
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